【カトーモーター“天袋”への想い】
ちょっとしたものを収納できる便利な天吊り収納家具を“天袋”と言います。
この“天袋”にもカトーモーターのこだわりが生きています。
“天袋”は上部の空間を有効利用できる反面、頭などをぶつける可能性もあります。
その為カトーモーターでは“天袋”の外枠本体は“付き板”と“ムク材”を合わせた構造にしています。
側面や底面にムク材を入れることにより、カドを丸める事が可能になり、万が一頭などが当たっても危険の少ない仕上がりになります。
これを“面取り”と言います。
“面取り”とは、一般的に工業製品の角部を削り、角面や丸面などの形状に加工することです。
ムク材を入れると家具本体の強度が増して、より壊れにくい外枠になり、物をぶつけた場合の破損も防止出来ます。
“面取り”は、天袋だけではありません。カトーモーターのキャンピングカーには、キッチン部分などの家具類にも生かされています。
また家具の扉に関しても、一部の扉には、“框組み(カマチぐみ)”という構造(工法)を取り入れています。これは、昔からある木工の技法で、見た目の美しさもそうですが、扉のゆがみが少なくなるという大きなメリットがあります。
木材は、湿気を吸い、吐き出す性質を持っていますので、微妙に伸びたり、縮んだりしています。
一枚の板で製作した扉は、この“伸び・縮み”によって、扉と外枠の間に隙間が出来たり、逆に閉まらなくなったりします。
これに対し、四方にムク材を使用し、木と木の接合部が凸面と凹面を組合せた
“框組み(カマチぐみ)”で製作されたカトーモーターの扉は、パーツが一枚扉
より多い為に、“伸び・縮み”が一定方向に片寄りません。
これでゆがみが少なくなります。
そして、季節にもよりますが、丸一日以上、金具をつけたまま寝かせる“締め付け接着“という工程を経て仕上げます。
これらは全て「質感を良くしたい」「丈夫で長持ちする家具にしたい」「モノをぶつけてもなるべく壊れない家具にしたい」という“天袋”へのこだわりです。
「何故、わざわざ時間と手間をかけて、ここまでするんですか?」と言われることがあります。
確かにこういう時代ですから、より早く、簡単に製作することも可能です。
しかし、カトーモーターは、“面取り”や“框組み(カマチぐみ)”をすることにより、“天袋”の質感と高級感を長持ちさせる方を選びたいのです。
長く使って頂けることで、「この天袋、さすがに少し色焼けしたけど、買った頃より味わいが出てきたよ」とか「天袋の扉、クルマを買って何年か経つけど、今でもパタンって閉まるよ、気持ちイイね」などと感動して頂くことが嬉しいんです。
そして、こういう何気ないお客様の一言が、またカトーモーターをその気にさせ、
また新たな“こだわり”を生み出す力になるのです。